「もう少し頑張れば、結果が出るのに」 「ここが踏ん張りどころだと思う」 子どもを思うからこそ、 こんな言葉が頭に浮かぶことがあります。 努力は大切です。 挑戦する経験も必要です。 ただ、教育現場で長く子どもたちを見てきて感じるのは、 努力と負荷は、必ずしも同じではないということです。 頑張っているように見えても、 実は無理を重ねている状態。 周囲の期待に応えようとして、 自分の気持ちを後回しにしている状態。 こうしたケースは、決して珍しくありません。 頑張らせすぎているかどうかは、 行動だけを見ても分かりません。 注目したいのは、その後です。 疲れが抜けにくくなっていないか。 笑顔が減っていないか。 「別に」「分からない」といった言葉が増えていないか。 これらは、 限界の一歩手前で出やすいサインです。 保護者の方にとって難しいのは、 「頑張らせたい気持ち」と 「守りたい気持ち」が、同時に存在することです。 どちらも間違っていません。 どちらも愛情です。 ただ、この二つのバランスが崩れたとき、 子どもは自分の状態を言葉にできなくなります。 「疲れた」と言えない。 「やめたい」と言えない。 「少し休みたい」と言えない。 なぜなら、 言った瞬間に失望されるのではないか、 期待を裏切るのではないか、 そう感じてしまうからです。 ここで一度、立ち止まって考えてみてください。 今、子どもが頑張っている理由は何でしょうか。 自分で決めた目標でしょうか。 それとも、周囲の期待に応えようとしているのでしょうか。 どちらが良い悪いではありません。 ただ、自分で選んだ頑張りと、背負わされた頑張りは、持続力が違います。 前者は、多少つらくても回復します。 後者は、気づかないうちに心を削ります。 家庭でできることは、 「もっと頑張れ」と言うことではありません。 「今のペース、どう?」 「しんどくなってない?」 そう聞いてもらえるだけで、 子どもは自分の状態を確認できます。 頑張らせないことが、甘やかしになるわけではありません。 力を抜く時間があるからこそ、また踏み出せるのです。 立ち止まることは、後退ではありません。 整える時間です。



