子どもを支えるために、 何を言えばいいのか。 どう声をかければいいのか。 多くの保護者が、この問いに悩みます。 励ました方がいいのか。 厳しくした方がいいのか。 それとも、何も言わない方がいいのか。 教育現場で長く子どもたちと向き合ってきて感じるのは、 言葉の内容以上に、見てもらえているという感覚が、子どもを支えているということです。 「ちゃんと見てるよ」 この感覚は、 褒め言葉よりも、 アドバイスよりも、 時に強い力を持ちます。 子どもは、意外なほど周囲を見ています。 誰が自分を見ているのか。 どこまで見ているのか。 表面だけなのか、過程までなのか。 結果だけを見られていると感じると、 子どもは挑戦を避けるようになります。 失敗した姿を見せたくないからです。 一方で、 過程も含めて見てもらえていると感じると、 失敗しても立ち上がろうとします。 「見てくれている人がいる」 その感覚が、踏ん張る力になります。 「何も言われなかったけれど、分かってくれていた」 この記憶は、あとになって強く残ります。 声かけは、少なくて構いません。 長い言葉も必要ありません。 「今日は大変だったね」 「そこまでやったんだね」 「ちゃんと見てたよ」 それだけで、子どもは 「自分の存在が認められている」 と感じることができます。 大切なのは、 評価しないこと。 結論を出さないこと。 「すごい」「ダメ」 どちらも使わず、 ただ事実を見て、受け止める。 これができる家庭は、 子どもにとって非常に安全です。 安全な場所がある子は、 外の世界で挑戦できます。 傷ついても、戻ってこられるからです。 「ちゃんと見てるよ」という姿勢は、 放置とは正反対です。 干渉せず、無関心でもなく、 静かに関心を向け続けることです。 それは簡単なようで、実はとても高度な関わり方です。 ですが、この関わりを受けて育った子は、 大人になってからも、 自分で自分を信じる力を持ち続けます。 誰かが見てくれていた経験は、 一生消えません。



